りゅうか商事は平成10年4月に起業いたしました。
全国の小学校4年生の社会科の授業に役立つ教材として、サトウキビを全国の小学校(24,000校)へDMを送付し、注文をいただいておりました。
また、那覇空港の売店にパイナップルをやんばる農協さんや、農家さんから仕入れして納品しておりました。
朝7時に沖縄市を出発して、東村へ行きパインを積んで、那覇空港へ納品していましたから、忙しい時は山原(やんばる)と、那覇空港を2往復し、走行距離が1日400kmになる時もありました。
サトウキビは先生方や子どもたちにとても喜ばれました。
そして、先生方や、子どもたちからサトウキビ、パイナップル、台風など、色々な質問が私に送られてきたり、電話があったりしました。
当時は今のように電子メールが普及してなかったので、私はその都度、その質問に手紙や電話で答え、分からないことがあったら図書館へ行き調べたりもしました。
このように質問に対して一生懸命答えていたので、先生方から信頼を得ることができて、口コミで先生方の間に「りゅうか商事」が浸透していき、ご注文いただくことが増えていきました。
今では弊社からサトウキビをお買い上げいただいた先生方がリンクを貼ったりしてご紹介いただいています。
沖縄の新聞で、「1月にサクラが咲いた」、「18度、寒い」、「1月に宮古島でセミが鳴いた」などの新聞の切抜きをコピーして、入れてあげたりしたことが評価された一因かもしれません。
サトウキビをお買い上げいただいた先生方から、授業で使える沖縄のビデオは無いかと、たくさんのお電話をいただき、私はあちこちの書店やビデオ屋さんを回りましたが、当時そんなビデオはありませんでした。
観光地を紹介するビデオはありましたが、サトウキビ作り、パイナップル作り、台風、基地問題、断水等生活シーンを紹介するビデオは何処にもありませんでした。
その時点で諦めるのが普通だと思うのですが、当時の私は、無いのならば自分でビデオを作ってしまおうと考えました。
今考えれば無謀です。(笑)。
しかし、ビデオを作るというのは大変な仕事で、何度も何度も壁にぶつかりながら、制作に2年かかりましたが、気がつくと多くの協力者にめぐり会えて、「沖縄の人々のくらし」と言うビデオができ上がりました。
今振り返るとよくできたものだと恐ろしくもなります。
今ではとてもそんな事はできません。
でも人間はやれば出来るものだと痛感しました。
そのビデオは今でもご注文いただいています。
累計で1,200本以上は売れています。
今回はそのビデオを、DVDとして販売していきます。
オカヤドカリの販売に関しても、お客様のご要望に答えようと試行錯誤しながら対応してまいりました。
そのことも口コミで広がって、多くの方がリンクを貼ってくれています。
現在、ネット販売のお客様はそのオカヤドカリ関係のお客様が多いです。
次に、弊社の隣がたまたま、越来郵便局ということがあり、局長さんから一緒に沖縄の特産品を販売して行きましょうとお声がかかりました。
当社のパインやマンゴーを扱うことで、郵便局の小包の掘り起こしにつなげたいということでした。
越来郵便局で弊社のパインの取扱いが始まりました。
すると、郵便局の局長の間でそのことが噂になり、ウチの郵便局でもやって欲しいとお声をかけていただき、1箇所の郵便局から始まったことが少しづつ増えてきて、昨年は58箇所の郵便局でお取り扱いいただく結果になりました。
郵便局での取り扱いでは、多くが贈答用としての注文でした。
弊社のパインやマンゴーを贈って貰ったお客様から直接弊社へ注文が入り始め、現在は約800名のリピート客がいらっしゃいます。
そのことから、私は良い品物を吟味してお届けすれば、お客様は必ずファンになって下さると、確信いたしました。
そして、農産物というのは劣化が早い商品ですから、必ずクレームはあります。
しかし、そのクレームも、ちゃんと心を込めて対応すれば、クレーム客もまた、ファンになってくれることもわかりました。
今では、商品をお買い上げくださったお客様から、私に、お茶、柿、そうめん、りんご、など色々な物が届きます。
お客様からは、「沖縄に親戚が出来たようだ」と言ってもらえます。
時には人生相談みたいに悩みを打ち明けてきたり、孫が生まれたと写真を送ってきたりもします。
声で名前が分かるお客様も増えてきました。
このことから、弊社が小さな会社だから、このようなことができると感じています。
組織が大きくなると、どうしても仕事が流れ作業になったり、利益追求優先になってしまい、お客様の心をないがしろになってしまいがちです。
これは最近のニュースで明らかになっている、賞味期限の改ざん、産地偽装に結びついていると思います。
弊社は小さな会社だから、自分自身で品定めし、荷作りしたり、お客様の声を聞いたりできるのです。
私は自分自身が大きな器の人間では無いと分かっていますので、会社を大所帯にしたいとは考えていません。
大儲けをして、贅沢な暮らしをするより、お客様に喜ばれて仕事する方がいいです。
私の目標は、妻や子供を幸せにすることですから、それができればいいと思っています。